キレーション治療を知る
1940年代から始まったEDTA キレーション治療は、当初、鉛中毒患者の治療として使用されていましたが、1950年代にこの治療が心臓疾患など動脈硬化を原因とする心臓血管疾患に有効ではないかという報告がなされ、動脈硬化に対する治療としても応用されてきました。
その後1970 年代に入るとこの治療に関する学会が発足し、安全で効果的なEDTAキレーション治療が確立されました。この学会はその後名称を変え、現在はACAM(American College forAdvancement in Medicine)として統合医療の最新情報を発信しています。
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TACT Update 2019 with Dr. Gervasio Lamas
Dr. Allan Magaziner Discusses Chelation Therapy and TACT2 on Ch. 6 Action News
水銀の神経細胞に与える影響
キレーション治療に使用される代表的なキレート剤
- 鉛
- EDTA (ethlyene diamine tetraacetic acid)
- 水銀・ヒ素
- DMSA (dimercaptosuccinic acid)、DMPS (dimercaptopropionylsulfonate)
- 銅
- Penicillamine
- 鉄
- Deferoxamine mesilate
EDTAキレーション治療と効果
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)と呼ばれる合成アミノ酸をビタミンやミネラルと共に定期的に点滴する治療方法です。EDTAが金属イオンをキール(ギリシャ語でカニのはさみ)のように掴みとり結合する性質から、キレーションという名前がついたと言われています。
EDTAキレーション治療は、有害金属を取り除く効果があり、抗酸化作用により血管を若返らせ、細胞を活性化する効果があります。抗加齢医学の領域でキレーション治療が注目される理由として、動脈硬化治療効果や有害金属除去による様々な変性疾患の予防と治療効果が期待できる点が挙げられます。美容関連施設で使用されているキレーションとは異なります。
2種類のEDTAキレーション
EDTAキレーションには、カルシウム(Ca)EDTAとマグネシウム(Mg)EDTAの2種類があります。CaEDTAは10分ほどで点滴しても比較的安全なものですが、動脈硬化に対する治療効果は確認されていません。このため比較的若い年齢層で、動脈硬化治療の必要のない方で有害金属を排泄するときに使用する点滴といえます。一方、MgEDTAには動脈硬化改善作用と金属排泄促進作用の二つの作用があります。これを急速に点滴すると血液中のカルシウムが急速に低下するために不整脈などの副作用を合併するおそれがあるため90分かけてゆっくりと点滴を行います。動脈硬化治療を目的とする場合にはMgEDTAを点滴する必要があります。
EDTAキレーションに有効な疾患
- 細胞の老化防止
- 高血圧の改善
- 脳梗塞・心筋梗塞・その他の心臓疾患の改善
- 変形性関節症の改善
- 血管の硬化や細胞の石灰化の防止
- 骨粗鬆症の改善
- 神経障害・記憶力減退・老人性痴呆予防と改善
- 黄斑変性症・緑内障などの眼病
治療の流れ
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- 検査
- 血液検査をはじめとした全身の検査を行い、体の状態を詳しくチェックします。
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- 治療方針検討
- 患者の状態に合わせ治療方針を検討します。食生活を中心とした生活習慣の改善等も併せて行います。
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- 治療方針検討
- リラックスできる環境で1時間から3時間かけてゆっくり点滴します。半年かけて合計20回行います。
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- 検査
- 治療開始前と治療開始後の検査結果を比較します。
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- 維持療法
- 定期的に検査をし、生活習慣の改善等は治療後も継続していきます。
キレーション治療を受けるには
EDTAキレーション治療は、副作用の少ない治療方法ですが、腎臓毒性がありますので、投与方法によっては重篤な副作用を起こす可能性も考えられます。この治療について十分な知識を持つ医師の施設で受けることが重要です。
本サイトのドクターリストでは講習会を受講した本会のメンバーが一覧として掲載されています。本会ではこうした医師の施設で治療を受けることをお勧めします。